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このブログは色々な人が適当に投稿するブログ

三角関数と双曲線関数のなかまたち

\sin\theta,\cos\theta,\tan\thetaって覚えてますか?サイン、コサイン、タンジェント
今日は久々の更新というのに、これらの仲間を紹介するぜっていうしょうもない記事です。
数学的な知識は全く必要ありません。面白いかどうか別にして。

三角関数は高校数学的には直角三角形の斜辺に対する比を取る形で導入されるもので、その奥深さはチャレンジャー海淵より深いですがここではどうでも良いです。
高校生には比較的嫌われている分野のような気がします。公式が多いように見えるので。

急ですが、これらのそれぞれの逆数が数学で用いられることは珍しくないです。逆数とはこんな形。
\frac{1}{\sin\theta},\frac{1}{\cos\theta},\frac{1}{\tan\theta}
これらは、数式によく登場するせいか、新たな名前がつけられています。
\frac{1}{\sin\theta}=\sec\theta,\frac{1}{\cos\theta}=\csc\theta,\frac{1}{\tan\theta}=\cot\theta
分母分子をひっくり返しただけのくせに3つも増えました。読み方は、左からセカント、コセカント、コタンジェントです
これらの仲間は理系の中でも使う人と使わない人に分かれます。わざわざ名前を覚えるほどの価値も感じないからです。私は、これらの名前を覚えてなかったので今ググってきました。

ところで、先ほどから\thetaという記号をたくさん使っていますが、これは角度のことを表していたことを覚えているでしょうか。\thetaには90°や45°などを代入して、\sin 45^{\circ}などと書いて数値をもとめます。では逆に、\sin\theta\frac{1}{2}のときの角度はいくら?と言われて計算できるでしょうか。つまり、逆算は可能ですか?
実は、逆算が直ちにできる場合は限られていて、0°、30°、45°、60°、90°の時ぐらいですね(直角以下の場合)。
倍角や半角の公式というのを用いれば計算は可能ですが、逆算は基本的には難しいです。しかし、数式的には逆算を示す記号はあります。それが、
\sin^{-1}\theta=\arcsin\theta,\cos^{-1}\theta=\arccos\theta,\tan^{-1}\theta=\arctan\theta
です。それぞれ、アークサイン、アークコサイン、アークタンジェントと呼びます。先頭の文字は大文字のこともあります。
これらの意味は、例えば以下の式
\sin^{-1}\frac{1}{2}=\arcsin\frac{1}{2}=?
では、\sin\theta\frac{1}{2}になるのは\thetaがいくらの時ですかと言う意味です。答えは30°です。
これらは逆三角関数と呼ばれています。また、よくわからない仲間が増えました。

新しく現れた逆三角関数。これらの逆数も存在するはずです。これらにも名前がつけられますね。
\frac{1}{\sin^{-1}\theta}=\arc\sec\theta,\frac{1}{\cos^{-1}\theta}=\arc\cos\theta,\frac{1}{\tan^{-1}\theta}=\arc\cot\theta
となるはずです。アークセカント、アークコセカント、アークコタンジェントです。もはや数式エディタにも存在しません。だれも使わないんでしょうね。

中間地点。

三角関数の類似の関数として、双曲線関数というものがあります。
三角関数双曲線関数オリンポス山よりも大きな関係がありますが、ここではどうでも良いです。
これも3つあります。
\sinh\theta,\cosh\theta,\tanh\theta
です。これらはハイパボリックサイン、ハイパボリックコサイン、ハイパボリックタンジェントと呼びます。
三角関数の記号に「h」がついただけですね。なんだか嫌な予感がしてきました。

これらの逆数は当然存在します。だって分母分子を入れ替えるだけ。
\frac{1}{\sinh\theta},\frac{1}{\cosh\theta},\frac{1}{\tanh\theta}
これらの3つにも、特別な名前がついています。
\frac{1}{\sinh\theta}=\sech\theta,\frac{1}{\cosh\theta}=\cosech\theta,\frac{1}{\tanh\theta}=\coth\theta
それぞれ、ハイパボリックセカント、ハイパボリックコセカント、ハイパボリックコタンジェントといいます。これも数式エディタにはないみたいですね。
ここまでくればもう予想できますね。

逆関数があります。
\sinh^{-1}\theta=\arcsinh\theta,\cosh^{-1}\theta=\arccosech\theta,\tanh^{-1}\theta=\arctanh\theta
アークハイパボリックサイン、アークハイパボリックコサイン、アークハイパボリックタンジェントです。

そして、逆関数の逆数
\frac{1}{\sinh^{-1}\theta}=\arccosh\theta,\frac{1}{\cosh^{-1}\theta}=\arccosech\theta,\frac{1}{\tanh^{-1}\theta}=\arccoth\thetaです。
アークハイパボリックセカント、アークハイパボリックコセカント、アークハイパボリックコタンジェントです。

これで、全24個の仲間ができました。(だからどうした。)
これらを使う機会があるのかというとほとんどありません。
ただ、相対性理論では速さの代わりに用いるラピディティというものがあって、これは速さを光速で割り算した後にアークハイパボリックタンジェントを計算したものになります。
相対論では速さの単純な足し算はできなくなりますが、ラピディティであれば単純に足し算することができるようになるという大きなメリットがあるので、光速に近い速さで動く物体ではこれを考えた方が楽になります。
なので、一部の記号は全く使わないと言うわけではないです。
しかし、記号に囚われていると痛い目を見ることもあるので注意が必要です。